「私は初期投資ゼロ型太陽光発電事業(以下、PPA事業)を担当しています。日本では2012年7月より固定価格買取制度(FIT制度)が開始され、飛躍的に太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーが拡大致しました。発電事業者はこの制度を活用して電力会社へ電力を販売するビジネスを行なっていましたが、近年は電力の買取価格が下落したこともあり、投資計画を見直さなければならない状況に陥っています。そうした背景から、発電事業者は電力を直接消費者へ販売する『自家消費型モデル』へシフトしつつあります。そして『自家消費型モデル』の中でも発電事業者、電力消費者双方にメリットがある新たなビジネスモデルとして誕生したのが、PPA事業です」とPPA事業発展の背景についてT.Oさんは話す。
この仕組みは電力消費者にとっても大きなメリットがあるという。「電力消費者は自社で保有する建屋の屋根や遊休地(使用していない土地)に太陽光発電設備を初期投資ゼロで設置でき、発電した電力を再生可能エネルギーとして、かつ電力会社が提示する電力単価よりも安価に契約し使用することができます。このことにより、以前と比べて再生可能エネルギーを導入しやすくなりました。大型商業施設や年中稼働する工場などを中心に、電力を消費する施設を持つ企業において電力コスト削減が見込めるほか、環境問題に取り組むことで企業価値を高めることにもつながります」というように、環境経営に取り組む企業などから注目を集めている。